“I don’t understand”だけじゃない
「分かりません」の英語フレーズとして、“I don’t understand.”が真っ先に頭に浮かんだ方が多いかもしれません。学校の英語の授業でも比較的最初の方で習う言葉なので、難しい表現というイメージはないでしょう。しかし、状況に合わせて「分かりません」を英語で使いこなせるかどうかというのは、また別の話です。
日本語の「分かりません」という表現は幅広い意味を持つため様々な場面で使うことができます。しかし、これが英語になると文脈に合わせて言葉が変わってくるため、一つの表現だけ覚えていても適切な使い分けができません。
どのように使い分けるのか、下に幾つか例を挙げてみましょう。
使い分けが必要なシチュエーション
説明の意味が「分からない」
授業や説明を受けたけれども特定の内容が理解できない場合は、
I don’t understand. / I don’t get it.
といった表現がよく使われます。問題が解けない時、やり方や手順がどうすればいいのか分からない時にも使えます。また、相手の言語が理解できない時にも“I don’t understand.”を使うことがあります。どちらも、最初に“Sorry”をつけた方がより丁寧に聞こえます。
さらに、ホテルのサービスなど何かの契約において約束していたことと違った場合にも“I don’t understand.”を使います。日本語で「は?意味が分からないんですけど」と言った際のニュアンスと同じく、英語でもこの文脈だと抗議や不満を表した表現となるので使う場合は注意が必要です。
道を聞かれたけど「分からない」
道や何かの情報を教えて欲しいと尋ねられたものの、あいにく分からない場合は、
Sorry, I don’t know. / I have no idea.
のように、この文脈が持つ意味である「知らない」ということを伝えます。“I have no idea.”という表現もほぼ同じような意味で使われます。
日本語では「知りません」よりも柔らかく聞こえる「分かりません」を使うことが多いですが、この場面で“I don’t understand.”と言うと「意味が分からない (=何が聞きたいのか分かるように言い直して欲しい)」とか「話している言語が分からない」という意味になってしまいます。
とはいえ、英語でもぶっきらぼうに“I don’t know.”と言うときつく聞こえるので、最初に“Sorry”をつけた方がいいでしょう。
予定を聞かれたけど「分からない」
「今週末ひま?」と聞かれたけれども、まだ予定が分からない場合の返事ですが、自分の予定について「知らない」と言うとヘンな文章になります。そうした状況では、
I’m not sure. / I don’t know yet.
のように、「はっきりしない」または「まだ分からない」というニュアンスで返します。
ちなみに、もし他の誰かの予定について話しているような場面であれば、
息子:Do you think grandpa is free this weekend? (おじいちゃんって今週末ひまかな?)
父:I don’t know. You can ask him. (分からない。本人に聞いてごらん)
のように“I don’t know.”を使っても違和感はありません。また、仮に自分のことであっても他の人の予定によって影響を受けている場合は、同じく下のようにこの表現を使うことができます。
友人:Will you be free this weekend? (今週末ひま?)
自分:I don’t know. It depends on my supervisor. (分かんない。うちの上司次第だよ)
適切な言葉を選ぼう
このように、英語の「分からない」という表現は“I don’t understand.”以外にも色々あります。文脈に合わせてそれぞれ適切な言葉を選ぶ必要がある、という点を意識して使い分けができるようにしておきましょう。
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