【教育分野の英語】Translanguaging とは

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言語の枠を超えた言語システム

以前は、習得した言語はそれぞれ独立した言語体系であり、バイリンガルやマルチリンガルは必要に応じ言語を切り替えてコミュニケーションをしている(コードスイッチング)という考え方が主流でした。コードスイッチングの考え方では各言語が安定して使用されることを目指すため、話者が複数の言語を不規則に切り替えることは言語学習においてネガティブなことととらえられます。

それに対し、「Translanguaging」では習得した言語はどれも学習者がもつ言語システムのリソースの一つであり、多言語話者は目的やタスクを達成するため意図的に複数の言語を柔軟に使い分けているという考え方をしています。言語の枠(境界線)を超えて自分の持つ言葉を駆使することが言語活動であるとみなすこの概念は、これまでの言語観や話者同士の関係性にも大きな影響を与える可能性があると見られています。

「Translanguaging」について

Translanguaging」は、そのままカタカナ表記で訳されます。

『トランスランゲージング』

【意味】2つ以上の言語の運用能力が組み合わさり、それが学習者の言語活動すべてに効果的に機能すること。一つの言語システムとして、学習者が効果的に知識を習得し内容を理解するよう助けるものとなる。

Translanguaging” という言葉(最初はウェールズ語での造語)自体は約30年ほど前にできたようですが、研究が進みこの理論が言語教育に導入されるようになってきたのは比較的最近になってからのことです。

そのため、教育現場においてどう実践するのが効果的なのかといった点も含め、しっかりとした言語理論を構築するためのさらなる研究が必要ではあるものの、トランスランゲージンググローバル化が進む社会における新しいコミュニケーションのあり方を形作っていく可能性を持つ概念だと言えるでしょう。

公式の使用例

トランスランゲージング』という用語は、青山学院大学の論説青山国際政経論集105号や公益財団法人 日本英語検定協会の研究報告(「第33回 研究助成B 実践部門・報告II」)などで使用されています。

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