【教育分野の英語】Accommodation とは

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by Jan Mateboer on Pixabay
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英語圏にあって日本の教育現場にない言葉

教育関連の翻訳や通訳をしている方であれば恐らく経験されていることと思いますが、簡単そうに見えて実は訳し方に悩むという単語は意外に多くあります。単語それ自体はありふれたものでも教育分野においては特殊な意味を持つ言葉の場合、そうした背景知識を考慮しないまま一般的なとらえ方で訳してしまうと意味不明な内容になってしまうんですよね。

特にインターナショナルスクールをはじめとする英語の学校教育現場では、言語学や教育心理学の分野も含め最新の研究成果をベースにした教育手法をいち早く取り入れる傾向が見られます。一方、日本の教育現場(語学学校での外国人への日本語教育も含む)では、同じようなスピード感で新しい教育手法が採用されることはあまりありません。もちろん、読み書きに求められる能力が大きく異なる日本語と英語で単純に比較はできませんが、日本において何か新しい教育手法を取り入れるのは、英語圏での導入から早くても数年後というパターンが多いでしょう。

そのため、教育分野にまつわる英語の中には、そもそも日本には存在しない、あるいはまだ認知度の低い概念や手法に関係した言葉があり、どう日本語に訳せばいいのかそもそも基準となるものがない(人により訳し方がバラバラで統一されていない)場合も少なくありません。これまで筆者が翻訳や通訳を行ってきた中で出くわしたそうした用語について、当サイトの記事で少しずつご紹介していければと考えています。

「Accommodation」について

まず最初に取り上げたいのが、「Accommodation」(アコモデーション)という単語です。

一般的には、宿泊施設や泊まるところなどの意味合いで使われることの多い語ですが、教育分野では次のような別の意味があります。

『合理的配慮』

【意味】何かの障害を抱える児童生徒が、授業内容を理解して与えられた課題に取り組めるよう、学習環境や教え方、試験などに必要な変更や調整を加える(平等な学習の機会を与える)こと。

具体的には、視覚障害やディスレクシアの生徒がテキスト読み上げ機能を持つコンピューターやタブレットなどを使えるようにする、聴覚障害の生徒に手話の通訳をつける、運動障害や学習障害を持つ生徒の試験場所を通常とは別にしたり時間を延長したりするなど、個別のニーズに合わせた必要な配慮を行うことを意味しています。(※試験基準そのものが変更されるわけではない)

「Accommodate」という語には“調整を加える”、“便宜を図る”といった意味も含まれており、教育分野の文脈における「アコモデーション」はその延長線上にあるといえるでしょう。

公式の使用例

『合理的配慮』という用語は、内閣府サイトの掲載情報で使用されています。(障碍者施策>教育「合理的配慮の提供の例」)

この語は、教育分野だけでなく障害を持つ大人も含めた共生社会の文脈でも使用されています。現時点ではまだ一般の認知度は高くない言葉かもしれませんが、今後さらに耳にする機会が多くなるにつれて浸透していくのではないかと思います。

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